運指 Fingering

fingering

 

 

 その昔、200年くらい前のことになるのでしょうが・・・、パリで活躍していたスペイン人のギタリスト、フェルナンド・ソルは演奏家としても作曲家としても勇名を馳せていました。スパニッシュ・ギターのブームと相まって、出版社も積極的に彼の作品を出版していました。それらを求めるギターの愛好家達が沢山いたのでしょう。ところがある日、出版社は作曲者ソルに「作曲した作品には運指を付けて欲しい」とう要要求を再三するようになりました。ソルはそれを(恐らく)とても疎ましく思ったのでしょう。幾度となく求めを拒んできましたが、とうとう「これでいいでしょうか? Voyons si c'est ça (Op.45)」という作品を書きました。部分的にいくつかの運指は書き込まれていましたが、要するに運指がどうであるべきか(=どこのポジションで、どの指で弾くのか)が自ずと解るように曲を書いたのです。
 毎月、私のコンサートシリーズでは「プレゼント編曲」として私の編曲作品をご希望の方に差し上げていますが、実はこの楽譜を書き、仕上げる作業がけっこう大変なのです。勿論、まずは、編曲としての完成度を納得のいくところまで仕上げる事は言うに及ばず、次は楽譜を見易く書き直す事、そして最後は「運指」を書き込む事です。この作業に至って、私は今お話ししたソルの逸話を何度も思い出します。
 もう随分前に、あるところでレッスンをしていたら生徒の弾いたバリオスの譜面がどうもあまりよろしくない運指が書いてある・・・、一体誰の校訂だとばかりに楽譜をとりあげ見てみると、なんとその何年か前に私が運指を付け某出版社から出た楽譜だったので、大変困ったことがあります。考えが変わった、と言うことも出来ますし、ああいうところは運指を指定しない方がいいとも思いました。特に先月と今月、そしておそらく来月も「プレゼント編曲」となる「グリーンスリーブス変奏曲」は(編曲と言うよりは作曲なのですが)、私自身の生徒のために書いているので、演奏が可能なように、またそのことが皆さんに伝わるようにという願いを込めて、運指を出来る限り十分に書いています。それだけに、大変時間のかかる作業です。今月のコンサートは、いよいよ明日です。お天気もなんとか持ちそうです。

 

 


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