もうひとつの《舟歌》


 19世紀の作曲家達は皆同時に、優れた演奏家達でした。いつか「タイムマシン」が完成したら、私は真っ先に1820年くらいのヨーロッパに行って、ソルやジュリアーニ、カルカッシやメルツの生演奏を聴きたいと思っています。彼らの作品を勉強していると、ギターの音楽と言うのは「こんな風に音を使うんだよ〜!」と教えてくれているようです。特にジュリアーニやカルカッシは、無駄な音が少なく、楽譜の上では和声的にちょっと物足りなさを感じても、実際に演奏してみると、そういった不安は杞憂である事を納得させられます。ソルの書き方は、ギターの機能を完全に理解しているようで、イタリア系の作曲家達よりも一層、研ぎ澄まされた音の選択である事を感じさせられます。特にソルはとても繊細な和声感を持っていたようです。

 ところで今週の土曜日の演奏会《19世紀の小品集》では、これらの作曲家達の残した、まさに「小品」ばかりをお聞き頂くのですが、その中のひとつ、N.コストの《舟歌》は最も良く知られ、ギターを初めて間もなくの多くの人達が勉強し、愛奏する作品です。この曲は「ギタリストのための楽しみ Recreation du Guitariste, Op.51」という作品51番に含まれる一曲ですが、この曲集は全14曲で、いずれも個性的な小品ばかりで、まさにギタリストが、束の間の楽しみに弾いたら良さそうな曲ばかりです。実はこの曲集の第1曲が有名な《舟歌》で、そして最後の曲、第14曲も実は《舟歌》と題されているのです(画像)。これがとてもきれいな曲で、技術的にはさほど難しくないのですが、意外な転調や、斬新な和音の使い方があり、とてもフランス的なのです。コストは「ギタリストの楽しみ」を、船に揺られて、あたかも夢見るように、作曲したのかもしれません。・・・お楽しみに!



コメント
コメントする








   

calendar

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< August 2019 >>

search this site.

selected entries

categories

藤井眞吾のその他のサイト

1. 藤井眞吾の Official Web Site


2. 藤井眞吾の Facebook Page


3. 藤井眞吾コンサートシリーズ

8月24日[土]
《8月のバリオス Barrios in August 》


5. Contact by E-mail

mail me

関連サイト

マンサーナ Manzana

Manzana Logo


Facebook

archives

recent comment

links

profile

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM