15年前の《エアー Air》

 この曲は2007年に作曲しましたが、それ以来色々な国の方達に演奏していただいていることは、本当に嬉しいことです。
 平易な演奏技術でアンサンブルを学ぶこと、そして同時に「アンサンブル」ということにとどまらず、音楽や演奏のエッセンスに到達できるようなヒントを盛り込んで作曲した作品です。
 ですから、どちらかというと初心者や中級者の方たちが、一生懸命に演奏した時の方が素晴らしい演奏になるのかもしれません。
 これは2009年に、私が開催していた京都でのコンサートシリーズに当時まだ大学生であり、そして私の自宅に通いながらギターも勉強していた3人の生徒たちに出演してもらい、「はじまりの音楽」と、この「Air」を演奏した時のものです。15年経って、このビデオを初めて見直してみると、生徒たちがとってもいい演奏をしていてくれて、私自身感動すら覚えました。是非お聞きください。

 

 

 

 

 これは本番前の様子・・・

 

 

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 演奏の時は真剣な表情・・・

 

 

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 演奏会が終わって、ほっと一息・・・

 

 

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 本当によく飲む生徒たちでした・・・
(写真左から、渡部友美、佐藤有華、岡村徹)

 

 

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 渡部友美さんは立命館大学の学生、佐藤有華さんと岡村徹君は京都大学の学生でした。彼らとの日々は本当に楽しい時間でした。

 

 


ヘンツェのノクターン

 これはかなりいい音質で録音できていたので、すでにアップしていたものと差し替えた動画です。

 この曲は初心者が必ずと言っていいほど勉強する曲ではないでしょうか? 作者の「カール・ヘンツェ Carl Henze (1872 - 1946)」はベルリン生まれのギタリストで作曲家ですが、主に教育用の作品、教則本の執筆などで大きな功績を残しました。

 

 

 

 

 「ヘンツェ」と言えば、ドイツの現代作曲家「ハンス・ウェルナー・ヘンツェ Hans Werner Henze (1926 - 2012)」が有名で、非ターの作品も残していますが、別人ですので間違わないように!
 毎月開催している「アートステージ567」の雰囲気が伝わる動画だと思います。

 

 


「魔笛」の主題による変奏曲(F.ソル)

 これも2006年の同じコンサートの動画なので、画質は相当悪いですが、音はちゃんと入っていますので、よろしければご覧ください。
 曲はソルの代表作とも言える「モーツァルトの“魔笛”の主題による序奏と変奏曲、作品9 Introduction and Variations on a Theme by Mozart, Op.9」です。

 

 

 

 

 非常に華やかな変奏が続きます。

 

 


禁じられた遊び

 「禁じられた遊び」という通称ですが、これはこの曲がテーマ音楽として採用された映画「禁じられた遊び Jeux interdits 」に由来するものです。まだ若かったスペインのギタリスト、ナルシソ・イエペスが音楽を担当しましたが、この曲はもともとスペインのギタリストアントニオ・ルビラ Antonio Rubira の作曲した「練習曲 ホ短調」で、イエペス氏はこの原曲のアルペジオの音形をちょっと変更しただけでした。

 

 

 

 

 「愛のロマンス Romance de amor」と呼ばれたり、昔の音楽の教科書などには「スペイン民謡」などとされていたものですが、全くいい加減な話です。
 私は演奏会ではこの曲は滅多に弾きませんが、随分前のビデオを整理していたらこの2006年の函館での演奏会でアンコールとして演奏していたので、YouTube に公開してみました。画質は相当悪いのですが、音は結構しっかりと入っていたので、ぜひお聞きください。

 

 


悲しみのマハ(La Maja Dolorosa No.2)

 スペインの作曲家、E.グラナドスによる歌曲集「トナディーリャ TONADILLA」から、「悲しみのマハ La Maja Dolorosa」第2番をお聞きください。8年前の「藤井眞吾コンサートシリーズ」での演奏です。

 

 

 

 

 また、いつか演奏したいと思っています。

 

 


ハーモニックスの音色

 ハーモニックスの場合も、右手のタッチの加減で「音色」が様々に変わります。

 来月のコンサートで演奏する「春の海」では、普通の「クラシックギターのハーモニックス」というイメージではなく、日本の御事の音色に似せた音を使いたいので、かなり硬質な音色を使います。
 音色の違いは「倍音 Overtone」の周波数成分比率に準拠しますが、いつも動画編集に使っている Shotcut にスペクトルを表示する機能があるので、それを使って動画を作ってみました。是非ご覧ください。(下の画像をクリックしてください)

 

 

screen

 

 

 

 硬い音色にすると明らかに「高い倍音」への振動エネルギーが多いことがわかります。まあ、当たり前といえば、当たり前なのですが、こうして視覚化すると面白いですよね。

 

 コンサートの情報がこちらです。

 

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J.サバル、円熟の世界

 私が古楽のグループ、ダンスリー(Danceries)のメンバーとしてリュートなどを弾いていた頃、ジョルディ・サバールの名前とそのグループ「HESPERION XX」の活動はとりわけ個性的で、いつも大きな関心を持っていました。その「HESPERION XX」のガンバ奏者として参加していた平尾雅子さんがダンスリーと共演したり、ダンスリー主催のサマーコースでゲスト講師として平尾さんが招かれて、すっかり彼女の大ファンになっていたのでしたが、J.サバール氏は平尾さんを通じて伺う、ある種のカリスマ的な存在として、これまで生の演奏を聴く機会のなかった私には、今日の演奏会(10月29日)は記念碑的な時間となりました。

 

 

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 本番が始まる前にステージに姿を現し、ディスカントとバスの二台のガンバのチューニングをするのですが、すでにその時の音がまさに魔法のようで、心がとろけてしまいます。プログラムは彼の率いる「エスペリオンXXI(21世紀になったので「XXI」になっています)の代表的な作品群で、どれも聴衆の心を鷲掴みにしていました。
 中でもM.マレの「フォリア」は圧巻でした。グイグイと音楽を前進させるあのエネルギーは一体どこからやってくるのでしょう。いつも優しく柔和な表情をしていながら、しっかりと聞き手の心を掴み、興奮を与える、本当に素晴らしいコンサートでした。
 特に打楽器奏者の素晴らしさには驚きました。こういった音楽で、パーカッションは主役ではないのに、本当に巧みに見事な「音楽の仕上げ役」を果たしていました。
 つい先日神戸で、件の平尾雅子さんの演奏するバッハやアーベルを心行くまで堪能し、そして今日はJ.サバールのまさに円熟した最高の音楽、パフォーマンスにただただ身を委ねていました。
 会場のロビーは妙な熱気(温度も高かった)に包まれていたので、終演後は一目散に外気を求め妻の運転する車で帰路につきました。

 

 


猫の組曲

 とても懐かしい作品なのですが、朗読とフルート・オーケストラのための「Cat Suite 猫の組曲」という6曲からなる作品を作曲したのは確か1999年か、それ以前ののことだったと思います。滋賀県の「湖笛(うみぶえ)の会」というグループからの委嘱で作曲。その後2006年に3曲を追加して4月に全9曲をレコーディング、7月9日に大津市民会館 大ホールで再演いたしました。日本では「猫ふんじゃった」として知られる有名な旋律を使った様々なスタイルによる作品です。
 

 

 

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 今度の日曜日(10月1日)に大津市で同団体により再演されますので、みなさま是非お出かけください。私も楽しみにしています。

 

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◾️大津・SDGs 協働支援チャリティープロジェクト2023
〜ねこふんじゃったによる9つの物語〜
出演:「湖笛の会」
◾️2023年・10月1日 [日]14:00〜15:00
◾️お問い合わせ・チケット購入/大津市市民活動センター(077-527-8661)

 

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 上の写真は2006年、大津市民会館 大ホールでの、「湖笛(うみぶえ)の会」第24回定期演奏会での演奏の模様だと思います。この年に私は「天使の協奏曲 Concierto de Los Angeles」も作曲・初演しました。

 

 


練習の管理

 毎回の練習(毎日の練習)では、その内容の管理と時間配分の管理をできるだけしっかりとした方が良いです。そうでなければ、同じことばかりを繰り返していたり、そのことが肉体的コンディションを偏らせて、結果的に悪い癖をつけることなどにつながってしまいます。
 私自身は40歳を迎えるくらいの頃まで、ノートを買って毎日練習日記(日誌)をつけていました。内容は毎日の練習で気づいたこと、なぜ苦手な指の組み合わせがあるのか、それを改善にするためにどんな練習をしたか、など。さらにとても大事だったのは、どんな練習を何分やったかという時間の記録です。漠然とやっていると、私の場合どうしても偏ってしまいます。苦手なことはやはり練習せずには改善されないのですが、苦手なことというのは当然「悪い動き」をしているので、それを改善して練習しているつもりでもその悪い動きが脳の中にする混まれるリスクが大きいから、必要以上に時間をかけないようにします。
 こういった考え方ややり方は生徒にも説明し、実践してほしいと思って教えていますが、なかなか実行できないことが多いようです。今日こんな「例」を紙に書いて、生徒に送りました。

 

 

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 ノートの作り方や、メニューの構成は人それぞれでいいのですが、記録し、管理する、つまり自分の行動を客観視するという習慣がとても大事です。

 

 


三つの楽章

「TRIPTICO」について(3)

 

 いよいよ明日に迫りました。

 今回初演する「TRIPTICO」についてのお話を完結させたいと思います。
 私に限ったことではないと思うのですが、新作の委嘱をいただいた時、その作品がどういった機会に演奏されるのかとか、以来右車がどんな人なのかとか、またもっと具体的に言えばどれくらいの長さの曲を規模ぷされているかとか、様々なことを考え、そして音を書き始めます。依頼者の Nanae Fujiwara さんとは、もう10年くらいの関わりなのですが、いつも彼女が私の作曲したアンサンブル作品(天使の協奏曲、SHIKI、Drei Fragmenten)の演奏メンバーという関係でした。独奏作品は初めてのことです。

 

● 第1楽章「哀歌 Cantilena」
 三つの楽章中、最も新しい時代を意識した作品です。私にとっては20代、30代の頃いつも大きな存在として目の前にあった、武満徹さんの音楽や Brouwer の音楽など、そこから受ける刺激は計り知れないものがありました。そういった音楽と少し距離を置きながら、その景色を眺めるように作品を綴って見ました。

 

● 第2楽章「子守唄 Nana」
 少しロマンティックな音楽、といっても19世紀のそれではなく、ギターの音楽の中にいつも存在する、近代でも現代でも聞こえてくるロマンティックな要素をこの楽章の中で描いてみたいと思いました。いつまでもゆったりと流れる子守唄は、少し気分の高揚を見せ、再び静かな眠りにつきます。

 

● 第3楽章「練習曲 Etude - Hommage Villa-Lobos -」
 Villa-Lobos の音楽世界も、またギター曲としてみた場合も、他の作曲家に比べて極めて個性的です。私は彼がギターの音楽にとっても垂らしたものは極めて大きいと思っています。野性的で力強い音楽、そして極めて独奏的な楽器の鳴らし方など、模倣してみたいと思いました。

 

 

 TRIPTICO の初演、一人でも多くの方々にお聞きいただければと思っております。

 前売りのご予約は本日まで受け付けております。当日券をご希望の方は必ず事前に、お電話で確認の上(マンサーナ/075-972-2834)ご来場ください。では、明日、アートステージ567でお会いしましょう!

 

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